電通さんの「マーケティング・クラウド」から考えること
そろそろ、忘年会の誘いをもらうようになりました。
12月にいくつか予定が入りました。
10月も終わろうとしていますから、今年もあと2ヶ月ですもんね。
早いものです。
さて、今月のメルマガにも書いたのですが、電通さんが
セールスフォースと組んでこんなことを始めました。
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電通さんが10月8日、マーケティング・プロセス全体をサポートする
「マーケティング・クラウド」サービスを発表しました。
電通グループ各社が提供するITソリューションを活用した
統合マーケティング・サービスと、
株式会社セールスフォース・ドットコムが
日本で提供するクラウド・サービスを融合させたもの。
詳細は、リリース記事を載せておきます。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2010/pdf/2010097-1008.pdf
表向きでわかることは、マーケティング全体のプロセス管理にも
電通さんが乗り出したことがわかります。
広告以外でも収益のネタが欲しいんだろうなと。
博報堂さんも、セールスフォースと組んで同様のことを
すでにはじめていますね。その対抗上の意味合いも
あるのかと勘ぐることもできます。
リテンションマーケティングを得意とする当社としては、
違う観点で関心を持っています。
それは、広告での活動と購買後・加入後の通常は
企業側が実施しているCRM活動についても、
このマーケティングクラウドでは、データを一元化しようと
しています。ここがおもしろいポイントだと思っています。
当社も前々から、リテンション・CRM関連のデータ活用の
行き着く先は、見込み客時代のデータであったり、
ソーシャルメディア(SNS、ブログ、ツイッターなど)での
個人を特定したデータとの融合であったりだと思っていました。
別の言い方をすると以下になります。
内部データの取得状況・活用状況は、相当進んでいます。
ただ、これだけでは、どうしても不十分なところがあるので、
ソーシャルメディア情報を内部データのように取得するのです。
ブログやTwitterIDなどを個々人の属性や購買データと
あわせればいいのです
そして、そこでの該当商品や同業他社での
発言などをチェックし、本音を得て、活かしていく形です。
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これについて補足です。
(1)博報堂さんの「Production Cloud」機能を包含し、
さらに充実したサービスを目指しているみたいです。
●博報堂さんのこのツールのひとつの機能として、
広告データ(CMや新聞広告、
雑誌広告などのこと)をすべてデータベースとして
登録できるそうです。
●これは、単なる一機能だったのですが、大手企業からは
アーカイブ代わりになると好評だそうです。
データ量に制限がないため、相当過去までさかのぼって
登録されているそうです。
●電通さんのサービスはこういったものを包含しつつ、
さらに大きなスケールになっていますね。
●博報堂さんの方だと、関係ある部署は、広告・宣伝部門が
メインですが、電通さんの方はそれだけでなく、
マーケティング部門、商品開発部門やIT部門なども
巻き込むことになりますから。
●どこまで市場に受け入れられるのか、楽しみです。
(2)リテンション・CRM関連のデータ活用の行き着く先
●メルマガにはひとつの方向性を書きました。
最新の事情にあわせたものです。
●ただ、かなり前から考えていたもうひとつの方向性が
あるんだと思っています。
守備マーケティング本にも書いたのですが、
その一部を紹介します。
以前ですと、顧客データからわかるファクトデータと、リサーチ会社などを使って行うアンケートデータとは別に存在していました。
今でも大半の企業さんは、そうだと思います。
このアンケートデータ側を相当なパーセンテージに適用しはじめています。
近い将来、顧客数が数百万名・数千万名の企業でも、顧客全員のアンケートデータを取るところが表れるでしょう。それだけ、メディアも発達しておりますし、顧客側のITリテラシーもあがってきております。
そして、たどり着く先がこれです。
このように内部分析を進め、アンケートデータも全数獲得したとします。そのうえで、さらに、顧客一人ひとりと、企業側はあなたのために、どのようにすれば、顧客のままでいてくれるのか、ダイレクトにその内容を確認し、それを実行することです。
ちょっとわかりにくいので、イメージ例をあげます。
多チャンネル有料TVのケース
「Aさんは、サッカーとモータースポーツが大好き。特にヨーロッパサッカーとインディは録画して、欠かさず見ている。そのためのプログラムを契約してまもなく6年になろうとしている。
Aさんがこの会社に望むことは次である。
・好きなプログラムを安定的に提供できているうちは解約するつもりはない。
この関連でプログラムが追加になったら、真っ先に知らせて欲しい。
でも、反対に、このプログラムがなくなっても知らせて欲しい。そのときに考えたい。
・6年も継続しているので、長期契約優遇プログラムを作って欲しい。
・僕みたいな人たちの要望で年払い割引制度を作ったことは評価している。継続して欲しい。
・以上のようなことを守って、提供してくれているうちは解約するつもりはない。」
このコミットをAさんから取り、その要望にこたえていくことです。
そして、これを数百万名分でも数千万名分でも、やるんです。これが最終型だと思っております
by ktmktg
| 2010-10-25 15:42
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