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インプット そうそう、これが欲しかった! 感性価値を創るマーケティング


日経MJで連載している小阪さんの本。
感性のマーケティングの続編です。
理論だけでなく例題も多くあり、また、
社内をどのように巻き込むかも書かれているので
とても役に立ったとの報告があったので、
ここに載せます。



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そうそう、これが欲しかった! 感性価値を創るマーケティング
小阪裕司著 / 東洋経済新報社 / 2007年7月刊

●オラクルひと・しくみ研究所代表。日本感性工学会理事。
●大手小売業にて実務を経験後、広告代理店を経て、1992年「オラクルひと・しくみ研究所」設立。大手企業のプロジェクトを数多く手がける。
●人の感性と行動を軸にビジネスを組み立てる理論を体系化し、2000年からはその実践企業の会である「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在約1,600社が参加。
●日経MJに「招客招福の法則」を連載中。


復習: 「感性」のマーケティング
 ●人の感性と行動に着目する
 ●お客さんの心の中に新たな価値を生む
 ●売り手の領域全体で取り組む



“感性価値の創造” = お客さんの心の中に、それまで感じていなかった価値が生まれること
“感性価値の創造” 3つのパターン
1.価値の伝達
 •その商品・サービスの本来持つ価値が、十分に消費者に伝わる
2.価値の増幅
 •その商品・サービスが単体では持ちえなかった価値、あるいは単体ではなかなか表現しきれなかった価値が膨らみ、消費者に伝わる
3.価値の転換
•作り手が想定していなかった価値が販売現場で創造され、想定していなかった消費者に伝わる (例:万年筆・・・前時代の筆記具から知的なイメージの嗜好品・アクセサリーに)


感性価値創造のための企業活動を構成する3つの活動
 ●感性消費行動をデザインする
 ●関係性のマネジメントを行う
 ●感性ナレッジのマネジメントを行う

これらが相互に有機的に結合し、相互に作用していく

3つの要素をサイクルとして回していくことが重要


感性消費行動をデザインする
お客さんの感性に働きかけ、お客さんの感性に響き、心を動かし、消費行動を起こしてもらう
その“働きかけ”を計画する
実践ステップ① お客さんの行動モデルを分解する
実践ステップ② 仮の行動モデルを作る
実践ステップ③ 行動モデルに「動機付け策」をプロットする
実践ステップ④ 実際に実施し、結果を計測(または観測)する
実践ステップ⑤ デザインを修正する
実践ステップ⑥ デザインを標準化し、展開する


関係性のマネジメントを行う
関係性を構築し、維持することによって、顧客(リピーター、支持者)を必要十分に確保する
 ⇒ 業績の安定、収益性の向上
顧客感性の育成を可能にし、顧客価値創造をスムースに行うことのできる土壌を整える

 ●顧客との関係性の中核にあるのは「共感」
 ●その「共感」を中核に、「好感」「信頼」「尊敬」の感情から構成される心理構造が関係性を支える

いかにして関係性を構築するか
1.接触機会を作る
 •様々なチャネルの活用
2.人間的なコミュニケーションを行う
 •自己開示
3.広報活動に力を入れる
 •社会貢献活動、理念、ミッション、歴史

関係性マネジメントによる変化
量的な変化 ・・・既存客の流出率、既存客のリピート頻度、既存客の購入金額(1回あたりの単価より年間の購入額)、既存客からの新規客紹介件数、(顧客全体に占める)上得意客の割合、動機付けを行ったときの反応率
質的な変化 ・・・お客さんとのコミュニケーションの変化

◆関係性資本(リレーションシップ・キャピタル)
関係性資本増大コストの予算化



感性ナレッジのマネジメントを行う
感性ナレッジ(=お客さんの感性に関する知識)を活用するための仕組み
 人の感性に関する一般的な知識
  •感性トレンド (メガトレンド、モード、テクノロジー、環境)
  •感性メカニズム
  •認知メカニズム
   消費者感性分析: 消費者全体の感性を分析し、現在の在りようと将来の方向性を探る
   感性プロファイリング: 自社の顧客と想定顧客の感性を軸に顧客像を明確にしていく
  ・自社のお客さんの感性に関する知識
実施したこととその結果をナレッジとして蓄積し、蓄積し、共有し、活用できる仕組み
感性ナレッジのマネジメントが進み、お客さんが何を好み、次にどのような商品・サービスを出せば喜んでもらえるか、予測の制度が上がることで、“商品・サービスの共創”が可能に
「そうそう、こういうのが欲しかったんだよ!」



【事例】
ゼリア新薬工業 便秘薬「ウィズワン」
•1988年の発売以来、年間3億円弱で推移していた売上が、1999年に感性価値創造のマーケティングを導入して4年後の2003年には13.5億円と5倍以上に拡大
•キャッチコピーを「純植物性便秘薬」から、商品の特長・価値をしっかり伝え、強烈なインパクトも備えた「うんちどっさり」に。
•便秘薬市場全体の拡大も。「うんちどっさり」が、ダイエットにつながるというイメージを喚起?

銀座の高級おむすび店 「十石」
•1個280円の鮭おむすびの価値を十分に伝えることで、売上の30%を占める大ヒット商品に。
•1日平均12~13個の南蛮味噌おむすびが、連日60個以上売れる人気商品に。
生産者の名前をとった「三代目 鈴木紀夫」として“認知ギャップ”で注意を引く
南蛮味噌の生産者の熱い情熱が込められた手書きの手紙をそのまま公開
•逆に、生産者の鈴木さんのお店(新潟小さな町の小さなスーパー)では、その南蛮味噌が銀座意のおむすび屋で使われていることをアピールし、月間30万円ほどの売上が300万円を突破。ギフト需要や、地元の百貨店、空港、大手スーパーなどからの引き合いも。

リッツ・カールトン
「ワオストーリー」 お客様を喜ばせ感動させたエピソードを他のスタッフに紹介するネットワーク
⇒ 感性ナレッジの共有・蓄積、スタッフの勤労意欲向上
「プレファランス・パット」 お客様のちょっとした情報を他のスタッフと共有するためのメモ
⇒ サービスレベルの向上、感性ナレッジの蓄積
「グッドアイデアシステム」 部署や職位に関係なく新しいアイデアを提案できる制度
⇒ 商品・サービスの共創(顧客プロファイリング)



いかに社内を巻き込んでいくか
変革、新しいことが広まっていくには時間がかかる、粘り強さが必要
はじめから変革に共感し、積極的に推進してくれる“革新者” = 7~8%(一説には2.5%)
次に協力してくれる“初期変革推進者” = 12~13%(13.5%)
多数派 = 60%
現状維持の欲求、理解はしていても保守的でなかなか行動に移らない

巻き込みを促進するための5つのポイント
1.「以前よりもよい」と納得できること
2.以前のやり方と似ていること
3.簡単に理解できること
4.簡単に試すことができること
5.成果が目に見えること

変革リーダーが取るべき5つの行動
1.革新者に立ち上がってもらう (部署や職位に関わらず)
2.“やや公式”な形で活動する
3.巻き込みを進める役割を果してくれるキーパーソンに共感してもらい力を貸してもらう
 •ただし、熱くさせすぎず、あくまで多数派側に立ってもらう
4.革新リーダーも熱くなりすぎることは逆効果であることを自覚する
5.楽しそうに活動する



感性価値創造を行うことで得られる5つのメリット
1.売上を計画どおりに創れる
 •ニーズを満たすのではなく、ニーズを創造する (お客さんは、自身が気づいていなかったニーズや欲求を発見し、それを満たすために購入する)
2.利益率が格段に向上する
 •値引きしなくても売れる
 •人気商品(往々にして値引き競争が激しい)であるかどうかに関わらず売れる
3.志向の多様性に対応できる
 •顧客感性の育成:お客さんの感性を徐々に売り手の感性に近づけていく
 •多様化する消費感性に合わせていこうとするのではない
4.古い商品が生き返る
 •売上を作るための新商品開発・新商品調達から解放される
5.他社に真似されない競争力を得る
 •蓄積された感性ナレッジは、他社の真似することのできないブラックボックスとなる
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