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インプット 話題の野村総研「富裕層」本です


今週のインプットのひとつでした。
先月、野村総研から2005年の富裕層の資産状況などが
発表になりました。興味深くチェックした方も多いかと。
その詳細がこの本です。


先週金曜日発売なので、書評もあんまりでていないのでは。
以下を参考にしてください。
金融機関さん向きですね。
これを通常の企業さんも参考にするのは
ちょっと工夫がいると思います。


===================
新世代富裕層の「研究」 ネオ・リッチ攻略への戦略
 野村総合研究所(宮本弘之、尾日向竹信)


■富裕層の定義
超富裕層    世帯金融資産5億円以上
富裕層     世帯金融資産1億円以上5億円未満
    新世代富裕層  富裕層のうち1947年以降に生まれた人
      団塊世代の富裕層
        新世代富裕層のうち1947~1949年に生まれた人
    旧世代富裕層  富裕層のうち1946年以前に生まれた人
準富裕層    世帯金融資産5,000万円以上1億円未満
アッパーマス層 世帯金融資産3,000万円以上5,000万円未満
マス層     世帯金融資産3,000万円未満

※金融資産:預貯金、株式、一時払い生命・年金保険などの「資産」
(不動産などの実物資産は含まず)からローンなどの
「負債」を差し引いた金額


第1章 団塊世代の富裕層の登場
●団塊世代の富裕層の資産運用における特徴
(1)資産運用の情報を自分で集める
(2)インターネットを使いこなす
(富裕層の63%がほぼ毎日インターネットを利用)
(3)手数料について合理的な説明を求める
(サービスの価値に対して適正な対価を払いたい)
(4)ブランドイメージだけではなく具体的なサービスを求める
(5)複数の金融機関を競わせる
(6)金融機関と一定の距離を置く

●従来の資産運用サービスでは満足しない団塊世代の富裕層
<銀行>
・各種振込や預貯金の管理のためのインフラにすぎない
・資産運用サービスにも期待していない
・投資信託の窓販は担当者の専門知識や説明力のなさに失望している
・旧世代の富裕層であれば良いが
<証券会社>
・大半の富裕層が担当者の失策を経験しており、
  10年以上前の経験でも忘れない
・自社で組成した商品を販売するという印象を持っている
<信託銀行>
・他の銀行との違いは特に意識していない
・遺産整理サービスや遺言信託サービスも日常利用するものでもない
<外資系銀行/証券>
・超富裕層・富裕層を対象としたプライベートバンキング・サービスは
 国内では本格的には普及していない
・マス層・アッパーマス層に対する金融サービスも充実していない
・知名度や潜在的な顧客基盤が日系の金融機関より不足している


第2章 拡大する富裕層マーケット
●富裕層マーケットの規模(NRI推計結果)
超富裕層     金融資産 46兆円(5.2万世帯)
富裕層      金融資産 167兆円(81.3万世帯)
準富裕層     金融資産 182兆円(280.4万世帯)
アッパーマス層  金融資産 246兆円(701.9万世帯)
マス層      金融資産 512兆円(3,831.5万世帯)

・富裕層マーケットの増減に株式市場の変動が大きな影響を与えている
・富裕層の資産ポートフォリオには、株式や投資信託など
 預貯金以外のリスク性資産の割合が高い
・今後は団塊世代の動向も富裕層マーケットに影響を及ぼす
・2007~2009年の3年間で14兆円の退職金が支給される
・但し、団塊世代の平均的な姿は、未だ数百万円の住宅ローンを
  抱えている
・退職金同様、遺産相続も金融資産分布に大きな変化をもたらす
・兄弟姉妹の多い団塊世代が受け手となることから、
 金融資産を分散させる効果もある
・例えば超富裕層が死亡し、金融資産が分散相続され、
 複数の富裕層が生まれる


第3章 富裕層の資産形成の経路
●富裕層に至る三つのタイプ
(1)最初からの金持ちタイプ
・裕福な家庭に生まれ、自分が資産を受け継ぐことを
  前提として育ってきた人
・資産運用の帝王学を受けている(物心がついた頃から肌で感じている)
・リスクをとらない保守的な資産運用、安定的運用
・資産運用について相談する人脈が豊富
・金融機関が自宅や勤務先を訪問してくるため選択肢が豊富

(2)コツコツ金持ちタイプ
・裕福な家庭に生まれたわけではないが、
  長い期間をかけて徐々に金融資産を増やしてきた人
・開業医や税理士、弁護士、会計士などのプロフェッショナル職
・難関の国家試験に合格したことからわかるように、リテラシーが高い
・しかし、高い収入を得るためのハードワークを日々続ける必要が
  あるため、資産運用について学ぶ時間がない
・職業倫理観が資産運用に一定の影響を与えている面も見られる
 「医者がお金の話をするのは品格に影響する」
 「弁護士が投機的なことをしてよいのだろうか」
・また、資産を蓄積するために支出を抑えているというケースもある
・資産を運用せずとも高収入であるため、
  預貯金のまま放置している場合もある
・忙しいために、資産運用に係わる手間を省くサービス提供が望まれる

(3)突然の金持ちタイプ
・裕福な家庭に生まれたわけではないが、人生のあるタイミングで
  急に金融資産を増やした人
・芸術家やスポーツ選手の中で、一気に才能が開花した人
・IPOやストックオプションでまとまった金融資産を一時的に得た人
・多額の退職金を得た人
・資産運用の経験と人脈が不足
・リスクをとって資産運用をする傾向が強い
・このタイプは見つけにくい


第4章 富裕層の資産運用の実態
●富裕層の資産ポートフォリオ
(1)リスク性資産の割合が高い
資産階層別(超富裕層 71%、富裕層 67%、準富裕層 57%)
富裕層の職業別(無職 79%、自営業 63%、民間企業の経営者・役員 64%)
富裕層の世代別(旧世代富裕層 70%、新世代富裕層 61%)

・新世代富裕層には「預貯金が中心」と「リスク性資産に分散」が混在
・高いリテラシーを持ちながらも、日常の忙しさが原因で
  「預貯金が中心」となっている
・リタイア後、資産運用を考える時間が十分とれるようになり、
  「リスク性資産に分散」へと変わる可能性大

(2)富裕層の資産運用における価値観
新世代富裕層は「能動的かつ合理的」、旧世代富裕層は
 「受身的かつ情緒的」
<旧世代富裕層のメイン金融機関選択理由>
・「家族や知人が利用していた」「友人・知人などに
  その金融機関を紹介された」「営業担当者の訪問・電話を受けた」と
  回答する割合が新世代富裕層と比較して高い傾向にある


第5章 富裕層から見た国内金融機関
■調査対象金融機関
メガバンク   :三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行
大手証券    :野村證券、大和証券、日興コーディアル証券
外資系銀行/証券 :シティバンク、新生銀行、メリルリンチ日本証券、
              UBS銀行/証券、HSBC
信託銀行    :三菱UFJ信託銀行、住友信託銀行、中央三井信託銀行
銀行系証券   :三菱UFJ証券、新光証券、SMBCフレンド証券
            みずほインベスターズ証券
            

(1)富裕層マーケットにおける国内金融機関の勢力図
・メガバンクと大手証券が二大プレーヤー
・但し、大手証券のほうが顧客全体に占める富裕層の割合は高い
・外資系銀行/証券は新世代富裕層に存在感あり

(2)富裕層から見た金融機関のイメージ
・メガバンクは比較的良いイメージを持っている富裕層が多い
・但し同様に悪い印象を持っている割合も同時に高いメガバンク、
   大手証券も多い
・信託銀行と銀行系証券はイメージが薄い
・外資系銀行/証券は好き嫌いが分かれる
・メガバンクは安心・安定感、大手証券は専門的・プロフェッショナル
・よい印象につながりやすいのは「商品・サービスが優れている」、
  「顧客を大切にしている」

(3)富裕層の金融機関の利用実態
・「もっとも多く利用している金融機関=メイン金融機関」
旧世代富裕層 :メガバンク 58%
           (→彼らが若い頃、選択肢は豊富ではなかった)
新世代富裕層 :メガバンク 33%
           (→他金融機関も含めて多様化)
・今後の金融機関は売買取次の手数料としてではなく、
  情報提供やアドバイスの対価を報酬とすべき
・富裕層に選択してもらうためには、特徴のある商品・サービスで
  関心を引き付ける必要がある
・メガバンクはブランドと店舗網、証券会社は担当者、
  外資系は商品・サービスで囲い込む
・富裕層ファミリーを囲い込むための施策を考える必要もある

(4)富裕層の金融機関に対する不満
メガバンク :窓口での対応の冷たさと担当者の専門能力の低さ
大手証券  :担当者の営業姿勢と割高な手数料


第6章 新世代富裕層が求める商品・サービス
●富裕層向け会員サービス
・利用できる条件、商品・サービス・提供の仕方がある程度細分化され、
  自分で自由にコース選択できるもの
・接客や問合せ対応は格差がなく高い水準のサービスが
  保証されていること
・資産運用のスタイルに合わせたコースが整備されていて、
  それがわかりやすく提示・説明されること

●SMA(セパレートリー・マネージド・アカウント)
・最低契約金額は、極端に低い必要はない
・報酬体系は、固定報酬に加えて成功報酬
・固定報酬部分には様々な選択肢(商品・サービスによる手数料など)
・金融機関の収入構造を抜本的に変革する可能性あり

●チーム対応
・超富裕層は担当者次第
・富裕層は担当者を通じて金融機関の組織対応力を評価する
・富裕層は担当者と適度な距離を置くことを求めている
・新世代富裕層は社内での顧客情報共有、業務連携、
  緊急対応体制の確立といった組織運営能力を求める

●インターネットによる富裕層向け資産運用サービス
・富裕層はインターネットを日常的に使う
  (新世代富裕層 72%、旧世代富裕層 56%)
・資産運用ツールとして利用している人が多い
  (アグリゲーションサービス)
・今後はコミュニケーション・ツールとしての利用の可能性大

●資産運用コンサルティング
・担当者のアドバイスには不信を抱いている
・新世代富裕層が求める資産運用コンサルティングを
  実行するための金融機関の課題
 →担当者は「商品販売目的ではなく、顧客サイドに立った
   アドバイスを提供」というスタンスで
 →顧客との接点が出来たら、新世代富裕層が潜在的に持つ
   相談ニーズを会話から引き出す
 →担当者は深い専門知識と高い説明能力を持つ
   尚且つ顧客に気づきを与えるコミュニケーション能力や
   顧客の悩みを共有できる人間性
 →アドバイスの説得性を持たせるために、担当者自身に
   運用経験があることが望ましい


第7章 富裕層マーケットの未来
●新世代富裕層から支持される資産運用サービス提供期間となるために

(1)フックをかける
<新世代富裕層が興味を持つきっかけを作ることができる金融機関>
・アウトバウンドによる新規開拓の限界(→三つのステップを)
1.富裕層が自社に興味を持つ(TVCM、口コミ、セミナーなど)
2.自社からのアプローチに対する富裕層の許可を得る
  (資料請求、セミナー後のアプローチ是非)
3.許可を得た富裕層にアプローチする
 →「能動的」な新世代富裕層に自然に興味を持ってもらう

(2)夢をわかちあう
<新世代富裕層の人生観を共有できる金融機関>
・新世代富裕層の人生観は「自分らしさ」「自由」「独創性」
・担当者は新世代富裕層の人生観を引き出すコミュニケーション能力を
  高めることが必要

(3)質にこだわる
<すべてのプロセスにおいて上質なサービスを提供できる金融機関>
・新世代富裕層は全てのプロセスにおいて上質なサービスが
  提供されることを求めている
・自社が得意なサービスは自前で行い、不得意なサービスは
  専門的な企業に大胆に任せる役割分担も

(4)ファミリーにアプローチする
<富裕層に対して家族・親族単位でアプローチできる金融機関>
・家族で同じ金融機関を利用するメリットが必要


★新世代富裕層の支持を得るために
<メガバンク>
・富裕層におけるブランドの浸透、口座保有数などで
  他の業態を圧倒している
・しかし、ロイヤルティの高い顧客は旧世代富裕層中心
・新世代富裕層との関係構築は進んでいない
・他の金融機関に先んじて新世代富裕層への顧客基盤拡大が必要
・グループ内の系列証券会社が持つ強みをいっそう生かす必要がある

<大手証券>
・富裕層の顧客に担当者を付けて関係構築をしている
・しかし、メガバンク同様、旧世代富裕層中心のため、
  新世代富裕層への顧客基盤拡大が課題
・富裕層における資産運用サービスで成長していくために、
  顧客拡大の新たな戦略が必要
・自社ブランドでの拡大か、提携戦略を中心とするかが問われる
<外資系銀行/証券、信託銀行>
・富裕層における認知率・イメージの向上が急務
・特徴ある商品・サービス提供には長けている
・旧世代富裕層ではなく、新世代富裕層に絞った大胆な戦略が望まれる


今週の生花です。これもいいですね。
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